技術の進歩に伴って家庭用電化製品、いわゆる家電も日々進化を遂げています。
それに伴い各メーカーから性能だけでなく、デザインにも力を入れた製品が登場してきました。
こうした家電は「デザイン家電」「おしゃれ家電」と呼ばれて人気です。
数ある「おしゃれ家電」から男性目線で選び方やおすすめなどを紹介していきます。
家電を選ぶあたって
ほとんどの家電は、道具であると同時に常に目に触れる場所にあるという意味でインテリアでもあります。
毎日目にするものですし、友達や彼女を家に呼んだときにも恥ずかしくないものを置きたいものです。
そうした家電を選ぶにあたって注意することはなんでしょう。
必要性を考える
多くのメーカーから毎年、高性能で魅力的な新製品が数多く発売されています。
高額な製品はそれだけ高性能ですし、おしゃれなデザインのものも少なくありません。
しかしどんなに高性能でおしゃれな家電でも使わなければ無駄というものです。
もちろん家電は生活に密着したものが多く、まったく必要ないものはそう多くはありません。
それでも家で料理をしない人には、ホームベーカリーや大きな冷蔵庫は不必要でしょう。
自分のライフスタイルや置く場所の広さに合わせて、必要な家電の機能とサイズを検討すべきです。
どんなにおしゃれでも置けない・使えないでは意味がありません。
多機能と高性能
近年の家電の進歩はすばらしく、多機能なもの・高性能なものが多く出ています。
欧米に比べ、狭い家が多い日本ではどうしても「1台○役」といった多機能な製品が好まれがちです。
それしか出来ない機械を数種類揃えるより、省スペースですし、結局安くすみ経済的なように思えます。
しかし実は必ずしも「多機能=高性能」とは限りません。機能によってはおまけ程度の場合もあるのです。
「1台○役」のうちの何役かは「出来るけど実用性に乏しい 」とか「余計な手間が掛かる」という可能性があります。
いまもっとも多機能な家電の一つ、オーブンレンジを例にとってみましょう。
もしあなたが電子レンジとトースターが欲しいと思ったとします。
現在トースターと電子レンジを1台でまかなおうとしたら、まずはオーブンレンジでしょう。
しかし実際にはオーブンレンジのメインの機能は「オーブン」です。トースターやレンジの機能はあまり期待してはいけません。
例えばトースト機能はトースターに比べて時間がかかる上に途中で裏返す必要がある商品もあります。
またレンジ機能も多機能が故に温まり方が均等でない商品もあるのです。
また「1台○役」の製品は複数の機能を同時に使えない場合もあります。
「朝トーストを焼きながら、昨日入れたコーヒーをレンジで温め直す」ことはオーブンレンジでは出来ません。
結局本格的なオーブン料理をしないのであれば、トースターと電子レンジを個別に買った方が機能的です。
しかも単機能な商品の方が高性能でスタイリッシュな場合が多く、必要な機能を絞り込めば安く買えます。
まず自分のライフスタイルに合わせて自分にとって何が必要かを見極めましょう。
家電の種類
一口に家電といっても様々な種類があります。
キッチン家電
キッチンで使う家電です。電子レンジ・トースター・コーヒーメーカーなど調理器具と保存庫である冷蔵庫などが中心です。
日頃料理をしなくても、冷蔵庫と電子レンジ・オーブントースター位はあるでしょう。
キッチンに一番大事なのは「清潔感」です。ですから昔から白い製品が多く「白物家電」と呼ばれたりします。
現在ではカラフルな製品も出ていますし、もっとも多機能・高性能な家電が多いのがキッチン家電の分野です。
あなたにもし料理好きの彼女がいるなら、彼女の意見を聞いて選ぶのがいいでしょう。
キッチン家電を選ぶ際は注意点があります。冷蔵庫やオーブン系の調理器具は、設置する際に廻りにある程度空間を必要とします。
冷蔵庫は背面から熱を放出します。このため壁に背面を近づけすぎると冷却効果が落ちてしまうのです。
またオーブン系(オーブントースター・オーブンレンジなど)は機械自体が熱を持ちます。
そのため壁にぴったりとつけた状態で使用すると火災の危険などもあり危険です。
電気ポット・コーヒーメーカー・炊飯ジャーなどは上部から蒸気が出ますので、上部に余裕が必要となります。
リビング家電
リビングに置く家電はキッチンに比べるとぐっと少なくなります。
定番となればTVやオーディオなどAV機器関係とエアコンなどの冷暖房器具くらいかも知れません。
ただリビングは「客間」というように他人を招き入れる場所でもあります。
そのためリビングに大切なのは「快適さ」です。まず自分がくつろげることが第一ですが、お客さんもくつろげるような空間を意識しましょう。
その意味ではリビングに置く家電もインテリアの一つとして考えて選ぶことが大事です。
季節家電
ストーブなどの暖房器具や扇風機などは季節家電と呼ばれます。
ただエアコンが普及した現在では補助的な役割を果たす場合も多くなってきました。
しかも一年中使うものではないため、いざ使う時期になったらスペースがなかったり、部屋の雰囲気とそぐわなかったりします。
ただデザインや性能面でもユニークな商品が多いのも季節家電の特徴です。
照明器具
どの部屋にも必ず必要な家電が照明です。部屋全体の明かりとしてはシーリングライトかペンダントライトがあります。
シーリングライトは面光源で部屋全体を均等に明るくします。ペンダントライトはつり下げ型のライトです。
この他、スタンドライトやスポットライトなどもあります。
照明は部屋を演出する基本です。照明器具のデザインだけではなく、ライトの種類などにもこだわれば一歩上の空間演出が可能です。
選ぶ際のコツ
「お店で見たときと家に置いたときに印象が違う」という経験をしたことはありませんか。
こうしたことは家電に限らず、インテリアや食器などでもよくおこりがちです。そうならないためのコツを少しだけお教えします。
おもったより大きい
量販店で見たときとこれぐらいかなとおもって買ったのに、いざ置いてみると思ったより大きかったという経験はありませんか。
家電量販店などではフロアも広く天井も高いため、商品は小さく見えがちです。
一般に広い空間に置かれたものは小さく、狭い空間に置かれたものは大きく見えます。
ですからまず置き場所を決め、どれぐらいのサイズがいいかをきちんと計測してから、購入することをお勧めします。
色が違って見える
色が違って見えるのは、多くの場合その部屋の照明が電球色や昼光色である場合です。
電球色は赤みがあり、昼光色は青白くなるため、製品の色によっては印象が変わってしまうのです。
家電量販店などの照明はほとんどの場合、昼白色や高演色性のライトを使っています。
色にこだわりたいのなら、部屋の照明は昼白色、出来れば高演色性ライトを使うことをお勧めします。
また色に関しては壁の色など背景色との組み合わせでも、色の印象は変わることがあるため注意が必要です。
部屋をコーディネートする
インテリアや家電もただおしゃれなものを置いただけではおしゃれな部屋にはなりません。
服を選ぶのと同じように、コーディネートを考える必要があります。
おしゃれ家電はせっかくおしゃれなのですから部屋のイメージにあったものを選びましょう。
コーディネートですからパターンは無限にありますが、代表的なスタイルをいくつか紹介します。
モダンスタイル
白や黒などモノトーンを基調としたシンプルな色使いのコーディネートです。
色を使うことも構いませんが、基調色+2色までがよいでしょう。
家電も幾何学的でシンプルなデザインとカラーリングがあわせやすいです。
基本どの部屋でも使えるスタイルですが、スタイリッシュになりすぎると落ち着かない人もいるでしょう。
シックスタイル
ダークブラウンなどのシックな色合いを基調として、明るい色をポイントに使うことで落ち着いた雰囲気を演出します。
家電もブラウンなどで、重厚感のあるデザインやレトロなデザインが馴染むでしょう。
よく言えば大人びた雰囲気、悪くいえば大仰な雰囲気になりがちですから好き嫌いはわかれます。
北欧系スタイル
白を基調としながら柔らかい曲線が入ったシンプルなインテリアで構成されたスタイルです。
パステル系の柔らかい色合いも取り入れることで、シンプルながら柔らかい印象を与えます。
家電は白かパステル調のカラーリングのものがあわせやすいでしょう。
キッチンから寝室までどこにでも使えますし、照明は部屋にあわせて色を選べます。
どちらかといえば女性向けのスタイルなのと、コーディネートするにはかなりセンスが必要です。
ナチュラルスタイル
白やベージュ・アイボリーといった色を基調として無垢材の家具などでコーディネートしたスタイルです。
自然な素材を中心にコーディネートすることで全体に落ち着いた雰囲気になります。
家電も基調色であわせるか、落ち着いた色がなじみます。シャープなデザインやビビッドな色のものは避けた方が無難でしょう。
照明は電球色を使うと木の持つ暖かみが強調されますので、一番相性がいいです。
レトロなデザインもあわせやすいですが、気をつけないと安っぽい印象になってしまいます。
おしゃれ家電のメーカーと特徴
大手家電メーカーもデザイン家電としておしゃれな家電を出していますが、デザインに特徴のある家電メーカーもいくつかあります。
その中で性能面でも優れたメーカー・ブランドをいくつか紹介していきましょう。
デロンギ
イタリアの家電メーカーです。コンベクションオーブンやエスプレッソマシンなどの調理家電が有名ですが、冷暖房器具なども出しています。
イタリアのメーカーらしく、おしゃれで独特なスタイルの製品が多いのが特徴ですが、どんなスタイルの部屋に置いても負けない存在感です。
キッチン家電の中でも調理家電に特化していて価格もそれなりにしますが、デザイン性だけでなく、高い技術力もあり人気のメーカーです。
バルミューダ
扇風機やトースターなどで有名な日本のメーカーです。
NHK朝ドラ「半分、青い」の中で新しい扇風機を開発するエピソードが出てきます。
実はこのエピソードはバルミューダの「GREEN FAN」開発を参考にしているのは有名な話です。
製品のラインナップは多くはありませんが、機能・デザインともにこだわりを感じるつくりになっています。
シンプルですが上品なフォルムの製品が多いので、どんなスタイルの部屋にもマッチしやすいでしょう。
バルミューダ ザ・グリーンファン (ホワイト×グレー) 扇風機 DCモーター 二重構造の羽根 BALMUDA The Green...
プラスマイナスゼロ
家電からスーツケースまで幅広く展開する日本のメーカーです。
社名が現すとおり決して高性能ではないけれど、使用に十分な性能で価格的にも手ごろな製品となります。
白やベージュ系が中心のシンプルなデザインが多く、シックスタイル以外ならどこにでもなじめるでしょう。
その他のブランド
衣料品、食料品などで現在注目をされる「プライベートブランド」。家電の分野にもこうしたプライベートブランドがあります。
その中から、特にデザインに力を入れているブランドを紹介しましょう。
無印良品
無印良品は古くからオリジナルデザインの家電を出しています。
そのラインナップは幅広く、エアコン以外、最低限必要な家電は一通りそろえることも不可能ではありません。
家電に関しては無印らしくナチュラル系のオフホワイトを基調としたシンプルなデザインが特徴です。
当然、無印の家具とあわせやすいですが、家の中があまり無印だらけになるとおしゃれではありません。
TAGlabel by amadana(タグレーベル by アマダナ)
家電量販店のビックカメラが展開している プライベートブランドです。プロダクトデザインで有名なアマダナが監修しています。
TAGlabelの特徴はブランド名やメーカー名などのロゴを本体から一切排除したことです。
家電だけでなく日用品などにも展開しています。
ハイセンスなデザインの家電が比較的リーズナブルな価格で手に入るとのことで、人気を集めています。
最後に
最後に自分なりのおしゃれな部屋をコーディネートするうえで、お勧めのアイテムを紹介します。
照明
おしゃれ家電の特徴は、道具でありながらインテリアにもなるという点です。
家電の中でも照明を知ることは部屋をコーディネートする上で一番重要かも知れません。
LED電球や蛍光灯の色には一般的には「電球色」「温白色」「白色」「昼白色」「昼光色」の5種類があります。
このうち、よく使われるのは「電球色」と「昼白色」「昼光色」の3種類です。
「電球色」は赤みがかった色で目に優しく、和室や寝室などに向いているとされます。
「昼白色」は色味がほとんどない自然な色なので、キッチンなどで使用するとよいでしょう。
また色が自然に見えることからクローゼットなどにも適しています。
「昼光色」は青白い色になります。青いライトは集中力を高め、書類などもよくみえますから書斎などがよいでしょう。
ただし青色は食欲を減退させる色ですので、キッチンや食卓のある部屋には向きません。
「電球色」等は光の色を表しますが、これとは別に「高演色」というライトがあります。
高演色の演色とは演色評価数のことで、その光源を使って対象物の色がどれぐらい正しく見えるかを表したものです。
高演色の照明は業務用が主ですが一般向けの商品もあります。インテリアの色などにこだわるならば使ってみてもよいでしょう。
シーリングライト
パナソニック LEDシーリングライト 調光・調色タイプ リモコン付 ~8畳 ミディアムブラウン仕上 HH-CE0819AH
シーリングライトは部屋全体を明るくするライトです。
以前は直管型の蛍光灯が主流でしたが、LEDが主流の現在では家庭用は平たい円形のものが多くなりました。
ただし機能は機種によって様々あります。お勧めなのは調光・調色型です。高演色であればなおいいかもしれません。
調光とは明るさを変えられる機能、調色とは「電球色」や「昼白色」というライトの色を変えられる機能です。
決して赤や青などの色のことではありません。
ペンダントライト
Haian Support ペンダントライト レトロ 照明器具 E26 引掛けシーリング 1灯 黒 天井照明 LED 電球対応 電...
ペンダントライトは吊り下げ型のライトです。
大きく分けるとLEDライトと一体になっているタイプと、ソケット型にわかれます。
ソケット型の場合は普通の電球も使えて安価なものが多いですが、基本的に調光は効きません。
一体型の場合、調光可能なものが多いですが高価です。
どちらもデザインは様々です。部屋にあったものを選びましょう。
ただしペンダントライトを購入する場合、注意する点がいくつかあります。
一番は天井の高さです。天井高が低いと、明るくなる範囲が狭まりすぎることになります。
シェードの大きさなども含めて検討すべきでしょう。
ソケット型の場合、シェードの中に熱がこもるような形状だとLED電球が故障する可能性があります。
本来LED自体は普通の電球に比べ、耐用年数が非常に長く発熱量も少ないのが特徴です。
しかし従来の電球用ソケットに使えるLED電球の場合、ソケット部に近い側に電子回路が組み込まれています。
この回路が発熱しやすく、また熱に弱いため、この部分の熱を上手く逃がしてやらないと故障してしまうのです。
LED電球を使うのであれば注意しましょう。
電源タップ
おしゃれ家電を購入したのに、延長コードや電源タップがよくある普通のものではもったいありません。
そうした細かいことにこだわってこそ、おしゃれといえます。
実はおしゃれな電源タップはいろいろ出ていますが、例としてひとつだけ紹介いたします。
エレコム製 roo’t(ルオット) 4個口 2.5m ブラック AVT-D3-2425BK
こちらはモダンなデザインですが、他にもいろんなデザインの電源タップがあります。
部屋のテイストにあわせて探してみてください。