短期間の通院で高い脱毛効果が期待できることから、人気を集めている医療レーザー脱毛。医療機関で施術を受けるため、一般的な脱毛サロンや自宅で脱毛器を使用するよりも安心・安全なことも大きなメリットです。
しかし、施術中は万全の体制で安全性が高くても、自宅に帰ってから適切なケアを怠ったり、不適切なケアをしたりしてしまうと深刻なトラブルに見舞われるリスクもあります。美容クリニックで施術を受ける際には注意事項として十分な説明がなされますが、注意事項を忘れてしまった方や、これから施術を受けるにあたって不安に感じている方のために、医療レーザー脱毛の施術後に行ったほうが良いケアを解説します。
医療レーザー脱毛の施術後は入念なケアが必須
そもそも医療レーザー脱毛は医療機関で施術を受けることから、「自宅に帰ってからのケアは必要ないのでは?」と感じる方も多いでしょう。なぜ施術後にケアが必要なのか、その理由を紹介します。
肌の乾燥によりトラブルが起こりやすい
医療レーザー脱毛の基本的な仕組みは、医療用レーザーを肌に照射し、肌のなかにある毛根へダメージを与えて破壊するというものです。家庭用脱毛器や脱毛サロンで使用される脱毛器に比べ、医療レーザー脱毛は高い出力のレーザーを照射するため、脱毛効果は高いですが肌への負担も大きくなりがちです。
施術後は肌が乾燥しやすい状態となり、普段に比べて肌表面の抵抗力も落ちています。そのため、わずかな刺激でもダメージを受けやすく、入念なケアを怠ってしまうとさまざまな肌トラブルが起こりやすいのです。
後遺症が残る場合も
高出力のレーザーを照射する医療レーザー脱毛は、体質によって炎症が起こりやすい場合もあります。多くの場合、炎症は一時的なもので数日間ほど待っていれば自然と収まりますが、なかには炎症の範囲が拡大したり、かゆみや痛みが悪化するケースも。
さらにこれを放置し、適切なケアを怠ってしまうと、シミのように肌への色素沈着を起こし後遺症が残るリスクも考えられるのです。
医療レーザー脱毛施術後に行ったほうが良いケア
では、上記で紹介した医療レーザー脱毛の施術後に発生し得るトラブルを避けるために、どのようなケアをしたほうが良いのでしょうか。3つのポイントを紹介します。
保湿
施術直後は肌の表面にダメージを受け、乾燥しやすい状態であると紹介しました。そのため、まずは肌を保湿し乾燥から防ぐことが大原則といえます。肌を保湿するためにはクリームやローション、オイルなどさまざまなアイテムがありますが、刺激の強いものは症状を悪化させるおそれがあるため避けたほうが良いでしょう。
クリニックでは保湿用のクリームやオイルなどを処方してくれることもありますが、もし市販のものを使用する場合には、担当の医師に使用しても問題ないか確認しておくことが大切です。
冷却
体質によって赤みや腫れ、かゆみなどの症状が現れる場合には、濡れたタオルなどで肌を冷やし、炎症を抑えることが重要です。ただし、冷却効果を高めようとするあまり、氷や氷のうなどを肌に当ててしまうと刺激が強く逆効果となってしまう場合もあります。濡れたタオルを定期的に交換しながら、ゆっくりと冷却しましょう。
処方された塗り薬の塗布
自宅に帰ってから炎症やかゆみなどが現れた場合に備え、クリニックでは塗り薬が処方されることがあります。ステロイド薬や抗菌薬などが一般的ですが、肌の冷却と合わせてこれらの薬剤を塗布することで、早期に症状が緩和できるはずです。
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医療レーザー脱毛施術後にやってはいけないこと
クリニックで医療レーザー脱毛の施術を終え、自宅に帰宅した後、上記で紹介した肌トラブルを避けるためにもやってはいけないことがあります。その理由もあわせて解説しましょう。
入浴
施術後に肌の表面へ炎症が見られない場合でも、肌の内部では少なからずダメージを受けています。入浴をすると全身の血行が良くなり、それがきっかけで炎症が悪化する可能性があります。施術を受けた当日は浴槽に浸かることは避け、軽いシャワーで済ませましょう。
運動
入浴と同様、運動も全身の血行が良くなり炎症を悪化させる原因になります。また、汗をかいたときに肌の表面をタオルで拭きますが、この行為が肌に刺激を与えてしまい炎症を悪化させる要因になることも考えられるのです。
飲酒
アルコールの摂取は入浴や運動と同様、全身の血行を良くするため炎症を引き起こしやすくなります。また、お酒には利尿作用があり、トイレに行く回数が増えることで体内の水分が減少していきます。肌の乾燥に拍車をかけてしまい、症状を悪化させるおそれがあるのです。
ちなみに、施術後の飲酒を避けることはもちろんですが、施術日の前日も控える必要があります。
安全かつ脱毛効果を高めるために注意すべきこと
施術直後だけでなく、美容クリニックに通院し施術を受けている期間に注意しておかなければならないポイントもあります。
日焼け対策
医療レーザー脱毛はメラニンとよばれる色素に反応することで毛根にダメージを与えています。このメラニンは、体毛だけでなく日焼けした肌の表面にも沈着します。そのため、たとえば施術期間中に海などに行って日焼けをしてしまうと、毛根だけでなく肌の表面にもレーザーが反応し炎症を起こしてしまうため、施術を継続することが困難となります。
施術期間中は、脱毛する部位が日焼けしないよう十分な紫外線対策を行いましょう。
毛抜きによる脱毛は厳禁
毛抜きによって一本一本ムダ毛処理をしている方も多いでしょう。しかし、施術期間中に毛根を抜いてしまうと、レーザーがメラニン色素に反応しなくなり脱毛効果が半減してしまいます。施術期間中は毛抜きではなくシェーバーを活用し、毛根を抜いてしまわないように注意が必要です。
医療レーザー脱毛のリスクを軽減するためにも入念なケアを心がけよう
医療レーザー脱毛は出力が高い分、さまざまな肌トラブルが起こるリスクも高い傾向にあります。施術直後は異常がないように感じられても、自宅に帰ってからトラブルが現れるケースも少なくありません。しかし、そのような場合でも慌てることなく、今回紹介したポイントを参考に適切なケアを施せばトラブルを最小限に抑えることができます。
万が一、正しいケアをしているにもかかわらず炎症が収まらなかったり悪化したりしている場合には、できるだけ早めにクリニックへ連絡し診てもらうようにしましょう。