「メガネ男子」が珍しかったのも昔の話。今やメガネはファッションアイテムとして広く認知されるようになりました。
ところが服のコーディネイトや小物の選び方と違って、正しいメガネの選び方はなかなか浸透していないようです。
「自分に合うメガネが分からない」「メガネの上手な見せ方・使い方を知らない」という人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、メガネの選び方から押さえておきたい人気ブランドまで一挙解説。
現在メガネをかけているという人も、これからメガネデビューするという人も必見のボリュームでお届けします。
自分に合ったメガネを選ぶ3つのコツ
実のところ、自分に合ったメガネを選ぶのは難しいことではありません。押さえるべきポイントはたったの3つだけです。
メガネのフレームを顔幅に合わせる
メガネを選ぶときに最も重要視してほしいのが、顔幅とメガネのフレーム幅をできるだけ近くすること。
服のサイズを選ぶのと同じで、これはメガネ選びの大前提と考えましょう。
顔幅に対しフレームが小さすぎると顔が膨張して見え、逆に大きすぎるとメガネが浮いてしまって滑稽に見えます。
とはいえ、厳密に顔幅とフレームの差が何cm以内と決まっているわけではないので極端なフレームさえ選ばなければOKです。
レンズと目の位置を合わせる
メガネのレンズと目の位置を合わせるのもフィット感を高めるのに大事な要素です。
具体的にはメガネをかけてみて、レンズの中央より少し内側寄りに目がくるようなデザインのフレームを選びましょう。
両目の距離が近い人は細いメタルフレームを、両目の距離が遠い人は太いセルフレームを選ぶのがおすすめです。
フレームの形状は眉形に合わせるのがベスト
メガネを選ぶときはできるだけ自分の眉の形にそっくりなトップリム(上部フレーム)を持つものを選びましょう。
特に太さのあるセルフレームやブロータイプのメガネを選ぶときは気をつけたいところ。
トップリムに太さのあるメガネは眉と目の隙間を近く見せて、簡単にイケメン効果が得られる便利なアイテムです。
しかし眉の形とフレームの形が合っていないと余計な隙間ができてしまい、せっかくのメガネ効果も台無しになってしまいます。
メガネを複数持ちしている人だとフレームに合わせて眉メイクで調整することもあるほど重要なので、しっかり覚えておきましょう。
実際にメガネをかけたときの顔を見る
いくつかメガネを選ぶポイントを紹介しましたが、上記で挙げたのはあくまで目安です。
実をいうと「どれか1つの要素でも欠けたら似合わない」なんてことはありません。
元も子もありませんが最終的に似合うかどうかは自分が決めるもの。
メガネをかけて鏡でチェックしたときの印象を確認したら、自分のセンスと満足度を信じて選ぶのも大切です。
メガネフレームの形状と特徴
今回は真っ先にメガネの選び方を紹介しましたが、メガネといってもフレームの種類や形状はいくつもあります。
特にフレームの形状はメガネをかけたときの印象を左右する重要な項目。
詳しく知ることでメガネ選びもスムーズになるので、基本的なフレームだけは覚えておきましょう。
スクエア
しっかりと角が強調された長方形で、天地幅が低いメガネがスクエアです。
メガネの中では最もスタンダードなタイプで、知的な印象を与える上にシャープな顔形に見せることができます。
サイズの自由度が高く、顔幅が広い人でもピッタリ合うメガネが多いのもこのフレームの特徴。
ただし顔の四角い人はフレームの形と相まってより顔の四角さが強調されてしまうので、あまりおすすめはできません。
また四角いフレームは気をつけないと冷淡な印象になりがちなので、元々顔つきがきつい人も注意が必要です。
ボストン
トップに比べてボトムが絞られたような丸みのあるデザイン。スクエアとならんでスタンダードなフレームです。
別名「クラシック」とも呼ばれていて、独特のシェイプは優しく知的な印象を与えてくれます。
トップリムが弧を描いているため、日本人の眉形にマッチしやすく選びやすいのが特徴。
細いメタルフレームや太いセルフレームなど、フレームの素材によって多彩な表情を見せてくれるメガネです。
ただこのタイプのフレームはレンズシェイプが大きくなりがちなので、両目の距離が近い人は少し合いにくいかもしれません。
同系統のフレームとして、レンズ中央側が斜めに切り込まれた逆三角形に近い「ティアドロップ」などがあります。
ウェリントン
角が丸みを帯びた四角形で、天地幅が広いフレームをウェリントンタイプと呼びます。
メタルフレームやセルフレームなどで大きく印象が変わり、ビジネスやファッションを問わずに使えるのが特徴。
クラシック感のあるメガネが流行しはじめて再注目され、老若男女問わず使える万能さから重宝されています。
カジュアルファッションには欠かせないビッグシルエットが簡単に演出できるのも人気の理由でしょう。
ただし、その大きな形状は元々顔の小さい人にはミスマッチ。
「ハズシ」アイテムの1つとして使うのもいいですが、慎重にかけなければダサくなるだけなので使いどころには注意しましょう。
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オーバル
横に長い楕円形のフレームで、メガネの中では比較的スタンダードに見えるタイプ。
同系統のフレームとして、サイドフレームだけが直線的なものは「バレルフレーム」と呼ばれます。
ボストン同様トップリムが弧を描いていて日本人の眉形に合いやすく、主張が激しくないので人を選びません。
ただし、顔幅が広い人は注意が必要。フレーム的に横幅も縦幅も短いものが多いため、かけると顔が大きく見える場合があります。
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ラウンド
レンズシェイプが真円に近いのが特徴。いわゆる「丸メガネ」と呼ばれるものの代表格です。
クラシック感・アンティーク感が強く知的な印象になりますが、クセが強いのでかけこなすにはかなりのセンスが必要。
ただ、上手に使えばかなりのオシャレ上級者を演出できます。
同系統のフレームとしては角をつけた「ヘキサゴン」や「オクタゴン」などがあります。
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フレーム素材とその特徴
メガネはフレームの形状はもちろんのこと、フレームにどんな素材を使っているかでも大きく印象が変わります。
メガネフレームに使われる素材は大きくわけて3種類あります。
メタル
読んで字のごとく金属が使われているタイプで、基本的にフレームが細くシャープな印象を与えます。
フレームの色にもよりますが、幅が太く主張の激しいセルフレームなどと違って素顔に近く自然に見えるのも特徴です。
最近ではメタルフレームにも幅をもたせたり、細工を施したりとデザイン性の高いものも多くあります。
ビジネスシーンやパーティーシーンで洗練されたイメージを与えることもできるので、1本持っておくと重宝するでしょう。
セル
セルフレームとは、プラスチックなどの素材で作られたメガネのことです。
元々はセルロイド素材が使われていたためこう呼ばれていますが、昨今ではフレームの太いもの全般をセルフレームと呼んでいます。
セルフレームはデザイン・カラーなどバリエーションに富んでいて自由度が高いのが特徴。
クラシックデザインが流行したことで、周囲の評価も「安っぽいメガネ」から「オシャレ小物」へと変化しています。
インパクトのあるメガネがほしいなら、黒縁のセルフレームはまさにド定番。イメチェンにも使えるマストアイテムといえます。
一方、セルフレームは存在感が強いため顔の印象がメガネに引っ張られがち。
合わないメガネはとことんダサく見えるので、しっかりと自分の顔に合わせてアイテムを選ぶ必要があります。
ナチュラル
ナチュラルフレームとは自然素材を使ったもののこと。べっ甲を使ったメガネなどが有名です。
べっ甲は古くからメガネフレームの材料として使われ、その自然な色合いが愛されてきました。
べっ甲のほかに挙げられるナチュラル素材としては木材や竹、バッファローの角などが使われたものもあります。
しかし今となっては正直なところ、こうした天然素材を使ったフレームは自己満足の類といっていいでしょう。
美しい色合いやグラデーションに目をみはる逸品もありますが、基本的には物珍しさ以上の価値はありません。
コンビネーション
メガネがアイウェアとして広く知られ、デザイン性を求められるようになって生まれたのがコンビネーションタイプ。
一般的にはセル素材とメタル素材を両方使ったものを指します。
バリエーションは非常に豊富なのでどんな印象かはデザインによりますが、セルとメタルのいいとこ取りができるのが特徴です。
様々なリムデザインとその特徴
メガネに詳しくない人には聞き慣れない言葉でしょうが、リムとはレンズ周辺のフレーム部分のことを指します。
メガネのイメージ・デザインを象徴する部分であり、肝となるパーツなので特に注意してみておきましょう。
フルリム
レンズの周り全体がフレームで囲われているものでメガネのスタンダードデザインです。
フレームの形状によってイメージは変わりますが、メガネをかけている感が一番出るのがこのタイプ。
イメチェンやメガネをファッションに取り入れたいときはこのタイプから選べば間違いないでしょう。
ハーフリム
レンズのトップ部分にのみフレームがあるタイプをハーフリムと呼びます。
最近ではトップリムにセルを使い、アンダーリムにメタルを使ったタイプも多いですがこれもハーフリムの1種です。
フルリムに比べるとメガネの主張が控えめになり、初心者にも使いやすいのが特徴。
また目と眉の位置を近く見せる効果もあるので、顔が引き締まって見えるようになります。
ただしハーフリムでフレームがゴツいものを選ぶと、男性的で無骨な表情になってしまうので注意しましょう。
アンダーリム
レンズのボトムス部分にのみフレームがあるタイプがアンダーリムです。
ハーフリムに比べると抜け感が強く、ファッション小物として使うのに最適なタイプといえるでしょう。
また眉の形に関係なく合わせられるので好みのフレームを選びやすいのもメリット。
ちょっとした涙袋効果もあるので、フェミニンで優しい顔に仕上げたいときに使いたい1本です。
リムレス
レンズを無色のナイロン糸などで巻き、ブリッジ(山)とヨロイ(智)のみで固定してあるタイプです。
ブリッジとは左右のレンズをつなぐ部分、ヨロイとはレンズ両外側のテンプルにつながるパーツのことです。
リムレスは実質メガネをかけていると分かるのがブリッジとテンプルのみになるので、ほとんど素顔と違和感がないのが特徴。
ファッションアイテムとしてメガネを取り入れたいときには分かりにくくて逆効果かもしれません。
一方でリムレスフレームにカラーレンズを入れると、かなり自然にオシャレ感が出せますね。
顔形・タイプ別のおすすめフレーム&おすすめブランド
次はメガネから選ぶのではなく、自分の顔の形に合わせたメガネの選び方を紹介します。
フレームの形状に合わせて代表的なアイウェアブランドも紹介するので、メガネ選びの参考にしてください。
丸顔タイプ
丸い顔の人でもシャープな印象に見せるには、スクエアやウェリントンのフレームがおすすめです。
逆にNGなのはラウンドやオーバル。丸いメガネをかけると、顔の輪郭が強調されて太って見えます。
ハーフリムなど横のラインがしっかりしたフレームを選ぶと、スッキリした顔付きに見えるでしょう。
丸顔の人におすすめのメガネブランド「アランミクリ」
おすすめブランドはスクエアフレームで秀逸なデザインのモデルを多く輩出しているアランミクリ。
セルフレームのカチッとしたモデルが多く、無視できない存在感を誇るフレームが多数あります。
それでいてビジネスにもカジュアルにも使えるので必携の1本です。
より遊び感を出したいという人は、奇抜なデザイン&カラーリングが特徴のtheo(テオ)などもチェックしてみましょう。
四角顔タイプ
エラが張っているなど顔が四角い人は丸みを帯びたメガネを選ぶようにしましょう。
おすすめのフレームはラウンドやオーバル。ボストンのフレームも良く似合います。
メガネで印象を変えたいときはセルフレームのしっかりしたものを選ぶのがおすすめ。
角張った顔つきを柔らかく見せてくれるアンダーリムのものも頼りになりますね。
四角顔の人におすすめのメガネブランド「ジャポニズム」
四角顔におすすめの丸形フレームといえば、日本のアイウェアブランドが多数輩出しています。
ボストンクラブから登場したジャポニズムはその中でも特筆すべきブランドの1つ。
世界に誇る鯖江産のアイウェアブランドとして、シンプルながら遊び心のあるメガネです。
そのほか丸メガネが特徴的なブランドには、サングラスで知られるレイバンや999.9(フォーナインズ)などがあります。
面長タイプ
面長の人は顔の長さをごまかせるような天地幅の大きいフレームを選びたいところ。
おすすめとしてはウェリントンやボストンが鉄板といえますね。
そのほか、面長タイプの中でも特に顔幅が狭いという人に注目してほしいのがラウンドフレーム。
ラウンドフレームにフィットする顔形はそうそう多くないので、取り入れるだけでぐっとオシャレ感が増すはずです。
面長の人におすすめのメガネブランド「白山眼鏡店」
丸メガネといえばメガネフリークの間で必ず名前が挙がるのが白山眼鏡店。
高い品質と洗練されたデザインで、レトロ感のあるシルエットが自然に演出できます。
逆三角タイプ
逆三角形の顔をした人におすすめしたいのはオーバルフレームのメガネです。
オーバルのほかにおすすめのフレームをあげるとすれば、横幅の小さなスクエアタイプでしょうか。
逆三角タイプは小さく見える顔形なのでビッグシルエット系のフレームはあまりおすすめできません。
特にウェリントンやボストンをかけたいという人は、本当に似合うか確かめながら慎重に選びましょう。
また小さな顔に太いセルフレームはバランスが取りにくいので、細いメタルフレームやリムレスのメガネを選ぶといいでしょう。
逆三角顔の人におすすめのメガネブランド「ic!berlin(アイシー!ベルリン)」
メタルフレームでスマートに見せたいなら、ic!berlin(アイシー!ベルリン)がおすすめ。
「ネジ、接着剤を使わずにメガネを作る」という発想から生まれたドイツのアイウェアブランドです。
一枚の板から切り出したようなセンスあふれるデザインは必見。ファッションアイテムとしても高い評価を得ています。
雰囲気までガラッと変えるメガネ活用術
イメチェンをするというと最初に何を思い浮かべるでしょうか?
「髪型を変える」「メイクをする」「ダイエットする」。色々方法は浮かびますが、どれも時間や手間がかかるものばかりです。
それに比べてメガネを使ったイメチェンは簡単。こんな手軽なアイテムを活用しない手はありません。
ここではメガネを使ったイメージチェンジ方法や、メガネを上手にファッションに取り入れる小ワザを紹介します。
メガネ複数持ちのススメ
「メタルフレームは真面目な印象」「セルフレームはカジュアル感が強い」と素材だけでも雰囲気が変わるのがメガネの特徴です。
だからこそ、シーンや理想のイメージに応じてメガネを合わせられるよう複数持ちするのがおすすめです。
普段からメガネをかけていても、ファッションに興味がない人だと日常使いの1本しか持っていない場合があります。
ですが、これはかなりもったいないこと。
メガネをファッションアイテムとして取り入れている上級者は3本以上を持っていることも珍しくありません。
アクセサリーを付け替える感覚で、もっと気軽にメガネを活用していきましょう。
メガネをアクセントカラーとして使おう
先ほど紹介したようにメガネはアクセサリー感覚で付け替えができ、しかもイメージに大きな影響を与えられる便利なアイテムです。
そのためメガネを選ぶときはフレームの色合いにも注意して、自分がよく着る服装をイメージしながら選びましょう。
ファッションに少しでも興味がある人ならご存知でしょうが、身につけるアイテムの色合いで印象はガラッと変わります。
基本的な色の合わせ方は靴やバッグなどの小物と同じ。
白やパステルカラー、淡色で抜け感を出したり、黒やブラウンで引き締めるなど使いかたは色々。
帽子やネクタイなどメガネに近い位置にある小物との合わせに配慮すれば、さらにまとまりのある着こなしができるでしょう。
メンズ向けメガネの選び方まとめ
今回はメガネの選び方からメガネのタイプ別にどんな印象に見えるかまでご紹介しました。
「自分にメガネは似合わない」という人がいるかもしれませんが、実は似合うメガネの選び方を知らないだけだったりするものです。
いざメガネをかけてみると周りの反応がすごく良かった、なんてエピソードもよく聞くので恐れずチャレンジしてみましょう。