タイツを履いてランニングする男性

メンズストッキングの選び方を徹底解説!ストッキングを穿くメリットは?

「メンズストッキング」といっても聞き慣れない人が多いかと思います。

ここでは「タイツ」と「ストッキング」の違いから商品別の特徴まで詳しく紹介していきます。

「ストッキング」と「タイツ」の違いは?「メンズストッキング」ってどんなもの?

「ストッキング」と「タイツ」の違い

「タイツ」や「ストッキング」といえばこれまで女性用というイメージがありましたが、近年メンズタイツや、メンズストッキングなどが登場し人気を集めています。

まずは「タイツ」と「ストッキング」の違いや女性用と男性用の違いを見てみましょう。

「タイツ」と「ストッキング」

女性用の「タイツ」と「ストッキング」の違いはその「厚さ」といわれ、厚手なものを「タイツ」、薄手なものを「ストッキング(パンスト)」とよびます。

ただし男性用に関しては足先まであるもの(パンストタイプ)を「ストッキング」、足首までのもの(レギンスタイプ)を「タイツ」と呼ぶことが多いようです。

日本では男性用は厚手のものが主流です。そのためパンストタイプを「タイツ(足先付)」とするメーカーや「タイツ」と「レギンス」と呼び分けるメーカーもあります。

生地の厚さを表す単位「デニール」

化繊を使ったストッキングやタイツの場合、「デニール」という単位を使って厚さを表記しています。

実際にはデニールは繊維の単位長さあたりの重さ(比重)を表します。

繊維の太さと重さは相関関係にあるため、重さで厚みを表すことが出来るというわけです。基準としてはこの数値が小さいほど薄く、大きいほど厚くなります。

ただし、縫製の方法などによっても透け感や温熱効果の具合なども違ってきますので、「デニール数」はあくまで指標の一つと考えるべきです。

参考までに日本では女性用の場合、30デニールより小さいものを「ストッキング」、それ以上を「タイツ」とするのが一般的です。

男性用はセクシー系商品などをのぞいて30デニール以上が多く、80デニールがメーカーが想定するもっとも一般的な厚さになります。

デニールはあくまで化繊の太さを表す単位なので、化繊以外の繊維が含まれている場合には基本的には使用しません。

男性用と女性用の違い

男性用と女性用の一般的な違いはサイズと前開きの有無です。また男性用は女性用より一般に生地に強度があり、ストレッチ性が高い厚手のものが主流となります。

「メンズストッキング」はメーカーが限られて種類も少ないため、選択肢が限られるのが現状です。

男性用ストッキングの種類

男性用ストッキングの種類

「メンズストッキング」「メンズパンスト」はメンズタイツの中でも足先までまであるもの。いわゆるパンスト型のものです。

日本では「メンズタイツ」として一括して呼称される場合が多く、透け感のほとんどない厚手のものが一般的です。

健康用・医療用

健康用の「着圧ストッキング」は脚の疲労軽減やむくみに効果が期待できます。また医療用では血栓などの治療用に「弾性ストッキング」などがあります。

「着圧」「弾性」とも足のそれぞれの部位にストッキングによって異なった圧力を加えることで、足部の血流をコントロールするように設定された商品です。

医療用は医師の指導や処方等が必要となる場合があります。

スポーツ用

野球用のソックスを別称として「ストッキング」と呼びますが、形状的には「ソックス」の一種です。

その他にバレエやダンス用に男性用ストッキングがあります。こちらは腰から足先まで覆ってますが、舞台用・練習用のものでアウターではありません。

その他

ネットで「男性用ストッキング」「男性用パンスト」等で検索すると、セクシー系やコスプレ用の商品が多く、ヒットすることがありますので、注意が必要です。

そのためネットで探す場合には、「メンズタイツ」「タイツ 男性」などで検索し、商品写真や商品説明をみて確認するか、商品名を入れて検索する必要があります。

海外の事情

海外の事情

1999年にアメリカで男性用のパンティストッキングが発表されて話題となりました。その後、男性用ストッキングは「マンティホーズ」と呼ばれます。

「マンティホーズ」はアメリカだけではなく、ヨーロッパにも広がり、現在では世界70カ国以上に普及しています。

マンティホーズ

「マンティホーズ(mantyhose)」は男性を意味する「マン」とパンティストッキングを意味する「パンティホーズ」の合成語です。

他に「brosiery」「guylons」という呼称もありますが、「マンティホーズ」がもっとも一般的な呼び名です。

海外では「マンティホーズ」は女性用とほとんど変わらず、超薄手のものから厚手ものまで、色柄とも豊富に幅広く存在します。

このように決して防寒用というわけではなく、ファッションアイテムとして注目されています。

また「マンティホーズ」はトランスジェンダーやユニセックス、クロスジェンダーといったアイデンティティを表現するものでもあります。

その上で性差に対する社会的偏向に対してボーダーレスなスタンスを表明するアイテムとしても取り入れられています。

このため欧米のファッションブランドの中には、ファッションとしての「マンティホーズ」専門のブランドを立ち上げているところもあります。

海外での「マンティホーズ」の市場は将来全世界で10億ドル規模になる可能性があるとの予測もあります。ただし日本での取り扱いは非常に少ないのが現状です。

メンズストッキングを穿くメリット・デメリット

メンズストッキングを穿くメリット・デメリット

メンズウェアのアイテムとして注目を集めつつあるメンズストッキングですが、当然メリットとデメリットが存在します。

ここでは主に「メンズタイツ」と比較しながら、そのメリット、デメリットを見ていきます。

メンズストッキングのメリット

レギンスタイプのタイツはアンダーウェア、もしくは超タイトなボトムスですが、ストッキング(パンスト)はソックスとアンダーウェアが一体化したものです。

メンズストッキングは下半身全体を均一に包み込んでいるため、防寒対策として、レギンスタイプのタイツよりも優れています。

レギンスタイプのタイツ+ソックスを場合のように、足首あたりに段差が出来ることもなく、足首周りがすっきりします。

またメンズストッキングならば、ずり落ちたりしわになる心配が少なく、スラックスなどの下にはいた場合でも足を組んだときなどに素肌が見えることもありません。

またタイトなボトムスでも、もったり感が出にくく、シルエットが崩れないとうことも、メリットの一つです。

また特殊素材などを使い、静電防止や消臭効果などの機能もある製品や、織り方を工夫して履き心地をよくするなど工夫された商品も出ています。

メンズストッキングのデメリット

着用の仕方にコツが必要です。そう難しいものではありませんが、初めて着用する際には戸惑うかも知れません。

股上が長いものが多いので、ボトムスによってはメンズストッキングの一部が出てしまいます。これはタイツも同様です。

日本では取り扱っているメーカーが少なく、バリエーションはあまり多くありません。その多くがスーツなど防寒用のアンダーウェアという位置づけです。

ビジネス用はブラック、グレイ、ネイビーといった濃い地味目の色が中心になります。カジュアル向けの柄タイプも出ていますが、種類は多くありません。

メンズストッキングを靴下の代用として着る場合、ボトムズや靴とのコーデに注意する必要があります。また女性用に比べて総じて価格が高いのが現状です。

ファッションアイテムとしてのメンズストッキング

寒い冬の季節、トップスはどうしてもボリュームが出がちです。そのうえ、厚手のボトムスまで着込んでしまっては、全体にもっさりとしてしまいます。

トップスにボリュームがある分だけ、ボトムスはスリムなパンツで着こなしたいが、なるだけ暖かくしたいというときに役に立つのがメンズストッキングです。

ストッキングならばかなりタイトなパンツと組み合わせてもシルエットが崩れることがありませんし、厚手のボトムスより重ね着効果で暖かい場合もあります。

タイトなパンツと組み合わせ

スーツとのコーディネート

通勤用のスラックスなどだとそれほどタイトではないので、レギンスタイプのタイツやズボン下などでもよいと考える人も多いでしょう。

しかしソックスや靴のことまで考えるとどうでしょうか。タイツにソックスではどうしても、くるぶしのあたりに段差が出来てしまいます。

その点、足先まであるストッキングならば、段差も出来ず、靴に合ったソックスを選ぶことも出来ます。

また少し厚手の紺や黒といった透けにくいストッキングならば、ソックスの代用にもなります。膝下からソックス風に切り替えている商品もあります。

カジュアルなコーディネート

メンズでもハーフパンツとレギンスを重ね着するというコーデがあります。このときの足許の定番は素足かシューソックスにシューズでしょう。

しかしメンズストッキングであれば、肌寒い季節にくるぶしあたりを露出せず、足許もすっきりして快適におしゃれを楽しむことが出来ます。

7分丈、8分丈のボトムスならばソックスの代わりに柄のあるメンズストッキングとあわせてもいいでしょう。

メンズストッキングを販売する日本の主なメーカー

日本の主なメーカーとブランド

日本の主なメーカーとブランド

レギンス型のメンズタイツを取り扱うメーカーは非常に多いのですが、大手のブランドでパンストタイプのメンズストッキングを取り扱うメーカーは多くありません。

その中で老舗的存在が「ナイガイ」ですナイガイの「エヌプラッツ スムーフィットタイツ」は2012年頃から、TVなどで取り上げられ話題となりました。

ナイガイからは他に「エヌプラッツ ウォームアップタイツ」というラインナップも出していて、メンズストキングにもっとも力を入れているメーカーです。

また「靴下屋」のTabioブランドPOLO BCSブランドからもパンストタイプのメンズタイツが出ています。

Tabioブランドのメンズストッキングは柄なし黒の1種類のみですが、機能面よりも見た目や履き心地にこだわり、ビジネスからカジュアルまで幅広く使える商品です。

なお靴下屋ではメンズ用のパンストタイプのものが「タイツ」、メンズ用のレギンスタイプは「レギンス」という位置づけになっています。

またPOLO BCSブランドの商品は前開きがなく、厚手で柄のあるカジュアルなタイプのみとなります。

メンズストキングの主な種類と特徴

ナイガイ (エヌプラッツ)N-platz SmooFit Tights スムーフィット タイツ メンズ  50デニール

ナイガイのエヌ・プラッツ スムース・フィットタイツは日本製メンズストッキングのシリーズの中ではもっとも豊富なラインナップを誇ります。

厚さは30デニールから50デニール、80デニール、110デニール、150デニールとありますが、こちらは50デニールの厚みになります。

サイズも「M〜L」と「L〜LL」の2種類がありますし、膝から下がグレンチェック柄の商品も出ています。また他の厚さより、価格が安いのも魅力です。

色はネイビー、グレイ、ブラックの3色で静電防止、消臭機能付き、ウエスト部分にも特殊ゴム糸を使用して耐久性が高く、締め付けを抑えています。

透け感は膝が少し透ける程度で、色のバリエーションもあり、ビジネスでもカジュアルでも使いやすい商品となりますが、基本はビジネス用を想定した商品です、

ナイガイ [エヌプラッツ] スムーフィットタイツ メンズ 150デニール

スムーフィット タイツの150デニールは、膝から下がネップ調のグレンチェック柄になっており、真冬でのビジネスシーンでの着用したを想定した商品です。

それでもソックス部分の柄が合うならば、カジュアルなボトムスやシューズともコーディネートすることも可能です。

ただしカジュアル用には後述するナイガイの「ウォームアップタイツ」があり、色、柄ともに充実しています。

ですのでカジュアルメインでのコーディネートをお考えの場合にはそちらをお勧めします。

靴下屋 Tabio メンズ 80デニールタイツ

靴下の専門店「靴下屋」のオリジナルブランド「Tabio(タビオ)」から出ているパンストタイプのメンズタイツです。厚さは80デニールのみです。

しかし黒、チャコールグレイ、ネイビーの3色があり、表面のてかりを押さえてマット調に仕上げ、化繊を表糸と裏糸で編み上げて肌触りをよくしています。

一方で消臭や静電防止などの機能はありませんが、見た目とはきごこちに重点を置き、カジュアルからビジネスまで幅広く使える商品です。

同じ仕様のレギンスタイプ「Tabio メンズ 80デニール レギンス」も出ています。

ナイガイ N-platz(エヌ・プラッツ)ウォームアップ・タイツ

ナイガイの「ウォームアップ・タイツ」は化繊に綿や毛を織り込み、「 防寒ソックス+厚手タイツ」というコンセプトの商品です。

カジュアルなデザインを揃えたシリーズです。

ウォームアップ・タイツにはマルチボーダー柄(毛17%)、膝下ブークレー織り(綿24%)、膝下迷彩柄(綿48%)の3種類が2色づつ用意されています。

それぞれ特徴的なデザインですので、スタイルに合わせて選べます。

「毛17%」のマルチボーダー柄は以外の柄は膝下で切り替えているので、ハーフパンツと合わせられませんので、注意が必要です。

メンズストッキングの選び方まとめ

メンズストッキングの選び方

メンズストッキングはレギンスタイプのタイツに比べて温熱効果に優れ、シルエットを崩さないなどファッション性と実用性が両立したアイテムです。

ただし日本ではまだまだ秋冬もののインナーというとらえ方が根強いようです。履くのにコツがいることや、バリエーションが乏しいのも事実です。

そんな中、この分野の老舗であるナイガイがもっとも豊富なラインナップを誇っていますが、靴下屋が参入したことで選択肢も増えていく可能性があります。

日頃からレギンスタイプのメンズタイツを愛用している人でしたら一度、メンズストッキングを利用してみてはいかがでしょうか。

ただし素肌に直接穿くものですし、ソックスと同じように露出する部分もあります。また意外に破れたり、伸びたりしやすい商品です。

縫製のしっかりしたメーカー品の中から、肌触りや透け感、見た目などを店頭で実際に確かめて購入することをお勧めします。

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