手ぐしで仕上げるスタイリングにどこか物足りなさを感じているなら、あえてクシを使うことに目を向けてみるのはどうでしょうか。
とはいえ使ったことがなければ、どんなクシがヘアケアに最適なのか分かりづらいものです。
ここではメンズのヘアケアに最適なクシとその使い方を徹底解説します。
クシを使うことのメリットや目的に合った使い分けなど、メンズとクシに関するさまざまな疑問を解消していきましょう。
クシの特徴と種類とは?
クシとはヘアケアの中でも髪を梳(と)いて整えるために使う道具で、薄い板状の歯の部分に一定の方向で目が並んでいます。
英語圏ではクシのことをコームというため日本でも「○○コーム」の呼び名が一般化しているようです。
目の幅や大きさ・用途の違いによって大きく4つのパターンに分類されますが、具体的にどんな種類があるのかみていくことにしましょう。
テーツコーム
は1本の半分が粗目、もう半分が細目になった両用タイプを指しています。
フラットな一直線の形状で美容師が髪のボリュームダウンを目的としたカットに使うことの多いクシです。
テールコーム
テールコームにはその名のとおりしっぽのように細長い持ち手が付いているのが特徴です。
また髪をブロック分けする・逆毛を立てる・ロッドを使ったパーマに重宝するなど、テーツコームにはない機能性もあります。
ジャンボコーム
目の幅が荒くガッシリとしたつくりと大きさが特徴で、絡まった髪をほぐしたりトリートメント剤などを全体に行き渡らせる目的で使われます。
アフロヘアを整えるときにも重宝されているクシで、ジャンボコームといえばアフロと認識しているメンズもいるほどです。
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セットコーム
テールコームと似た形状をしていますが、施術をサポートするというよりスタイリングの決め手として投入されるのがセットコームです。
材質にカーボンなどを使用することで嫌な静電気を防ぐ
など、細かなヘアアレンジを叶えてくれるクシといってもよいでしょう。
ブラシとクシは何が違う?
ブラシはクシよりも歯の数が多く、材質はプラスティック・ウッド・獣毛などクシに比べてバリエーション豊かなことが特徴です。
髪をオシャレに整えるという意味で積極的に活用していくべきヘアケアアイテムですので、ブラシの有効性も再認識しておきましょう。
次に一般的なブラシの種類や特徴について紹介します。
スケルトンブラシ
歯ブラシのように片面に歯が付いているスケルトンブラシは比較的目が粗く、髪が空気を含んだような仕上がりになる特徴があります。
骨のような形状であることからスケルトンの名がつき、ホテルやスパのアメニティグッズにも採用されています。
デンマンブラシ
スケルトンブラシのように片面に歯が並ぶ形状をしているのがデンマンブラシです。
人工の歯には出せないツヤを生み出し、特に天然毛を使ったタイプが人気です。
ロールブラシ
ブラシの芯を取り巻くように歯がロール状に付いているのがロールブラシです。スタイリングの際に毛先のニュアンスを出すのに役立ちます。
クッションブラシ
名前のとおり歯の根元にクッション性を持たせた形状で、ブラッシングによる髪や頭皮への衝撃を和らげる効果を持ちます。
また髪全体をかき分ける・カールなどでヘアスタイルに変化をつけるなどに効果的です。
メンズがクシを使うことのメリット
これまで敬遠してきた人こそクシを積極的に使って欲しい理由は、男性ならではの悩みに対応するさまざまなメリットをみればわかります。
ヘアケアの悩みを改善に導くポイントとして、ここでは4つのメリットをご紹介します。
シャンプー前に汚れを浮かす
クシを通すことにより男性のベタついた頭皮や髪に付着した汚れを浮かせることができ、シャンプー本来の効果もアップします。
そこでクシ初心者のメンズはもちろん、スタイリングだけにクシを活用している人にぜひとも取り入れてほしいのがシャンプー前です。
バッチリきめた髪型が長持ちしない・毎日シャンプーしているのに頭がかゆいなどで悩むメンズは、習慣的に使うことをおすすめします。
頭皮の血行促進で抜け毛予防
ヒトの頭皮はクシやブラシの刺激でも十分な血行促進効果を得ることができ、気になる抜け毛・薄毛を予防するのにも効果的です。
またクシを使えば爪で頭皮を傷つけてしまうリスクを低くでき、トリートメントや育毛剤などを効率よく浸透させることにも役立ちます。
手触りのよさと髪のツヤをもたらす
ショートヘアが大半を占める男性は、髪を乾かすときにも手ぐしで終わらせてしまうことが多い傾向があります。
しかしクシを使って乾かすことで手触りバツグン・ツヤツヤの髪に仕上がることを知れば、クシが手放せなくなるはずです。
繊細なスタイリングが叶う
七三分けやオールバックなどクールな印象の髪型には絶対といってよいほどにクシが欠かせません。
素敵な女性とのデートや仕事のプレゼンなどに清潔感と凛々しさを引き出す有効なヘアケアアイテムだということも覚えておきましょう。
選ぶならどっちのクシ?プチプラVS高級品
クシのバリエーションもそれなりに豊富で、いわゆるプチプラのクシと高級なクシでは差もあります。
それぞれの特徴や選ぶうえでのメリット・デメリットなどをみてみましょう。
プチプラクシの特徴
いわゆる100円ショップなどで購入できるクシはプチプラの代表格です。
またビジネスホテルなどのアメニティとして用意されているクシもプチプラの一種に該当します。
素材はオールプラスティックであることがほとんどで、ヘアカラーの度に買い替えたり旅行や出張のためだけに使う人もいるようです。
プチプラクシのメリット・デメリット
プチプラクシのメリットは最低限の機能を備えつつ価格が安い、場合によっては無料でも手に入るという点でしょう。
一方で摩擦による静電気が起こりやすく、不十分な加工が原因で髪にダメージを与えてしまうなどのデメリットが考えられます。
高級クシの特徴
高級クシというのは1本の価格が数千円以上でプロ仕様のクシと表現してもよいでしょう。
髪や頭皮に与えるダメージに配慮されており、持ちやすい形にこだわったり希少性の高い木材や動物の天然毛などもよく使われます。
高級クシのメリット・デメリット
高級クシのメリットは、髪を梳かすだけでツヤが手に入る・使われる素材や成分によるリラックス効果が期待できるなどプラスαの機能性です。
高級な素材ゆえにクシの値段が高いのはもちろん、メンテナンスに注意が必要な高級クシもあるなど面倒くさがりなメンズにとっては扱いづらさがデメリットでしょう。
シチュエーションに合ったクシの使い分け
メンズの髪に魅力的な変化をもたらしてくれるのがクシです。
自分が求めるベストなクシに出会えるよう、ここではシチュエーションからみた使い分けのヒントを紹介します。
圧倒的なツヤが欲しい
クシの中でも特に美しいツヤをもたらすが木製のクシです。
最もポピュラーな「つげのクシ」は頭皮へのマッサージ効果も高いため、女性だけでなく男性の髪にもぜひ使ってほしい逸品です。
枝毛や切れ毛が気になる
クシの使い分けで髪ダメージの進行を抑えることはできます。この場合は材質や価格に関係なくクシ目の粗さ・細かさで判断しましょう。
ジャンボコームよりさらに目が粗いメッシュコームなどは、手ぐし感覚のラフなスタイルを好む人のクシデビューにも最適です。
毛束感を活かしたスタイリングが好み
前髪や頭頂部など部分的にニュアンスを与えた髪型にもクシが好相性です。
ハード系のワックスやポマードをつければ、手を汚すことなく好みのヘアアレンジが完成します。
クシをセットに活かすコツ
ブローにクシを有効活用する
スタイリングの基礎となるブローの段階でクシの特徴を活かす使い方を紹介します。
ブラシではなく、きちんとしたパーツ分けが必要な部分にはテールコームなどを投入しましょう。
- シャンプー後に軽くタオルドライした髪からスタート
- クシで髪全体を梳かしてくせを取る
- 前・横・後ろのパーツごとにクシを使ってブロック分けする
- ボリュームを出したい部分の髪をクシで持ち上げ、ドライヤーの熱を下から当てる
- ボリュームを押さえたい部分はドライヤーを上から当てる
- 全体が8割程度乾くところでブローは終了
※乾いた髪の場合は適度に濡らしブローしやすい状態でスタンバイしましょう。
スタイリングにクシを有効活用する
つづいてはスタイリングにクシを活用する手順です。ブローで下地が整った状態からスタートするため時間も短縮できるのがポイントです。
- ワックスなどの整髪料をざっくり髪になじませてスタート
- 仕上がりのイメージに合わせたクシを使って毛の流れを整える
- ラフ:メッシュコーム
- 七三分けやオールバック:テールコーム
- スタイルキープのためのスプレーをかけて終了
クシを手入れして清潔な状態を保とう!
髪に直接触れるクシは思いのほか汚れが付着するものです。
丁寧なスタイリングを不衛生なクシで台無しにしないよう、こまめなお手入れで常にキレイを保つ心掛けが必要です。
ナイロンやプラスティック製のクシ
ナイロンやプラスティック製のクシに付着した汚れには普段使っているシャンプーを使うのがおすすめです。
洗面器などに少量のシャンプーを溶かした液を作って漬け置きし、緩んだ汚れが浮き出すまで1~2時間程度放置します。
シャワーなどを使ってしっかり洗い流して乾燥させれば、プチプラクシでも快適に使うことができます。
木製のクシ
水分を嫌う木製のクシに漬け置きは厳禁で、しつこい汚れの場合だけぬるま湯を使うようにします。
目立つ汚れは綿棒や小さめの歯ブラシなどで掻き出してふき取るのがおすすめです。
水分を含むことによるカビなどを防ぐため、しっかり乾燥させることも心がけましょう。
天然毛を使ったクシ
髪の毛や汚れが絡みつきやすい動物の毛を使ったクシにもシャンプーを使うことは可能ですが、直接濡らすことはできるだけ避けたい種類です。
濡れても構わない材質のクシやブラシをぬるま湯で作ったシャンプー液に浸し、天然毛ブラシの汚れだけを取り除くようにしましょう。
木製と同じく乾燥が不十分だとカビが生えたり、毛が抜け落ちやすくなることにも要注意です。
メンズのヘアケアに最適なクシの使い方まとめ
クシには用途によってさまざまな種類があり、選び方や使い方のコツを知ればヘアケアに格段の差が生まれるアイテムです。
はじめは手ごろな価格のクシからステップアップしても、興味が続く限りお気に入りの高級クシに出会うチャンスは巡ってきます。
ここぞというタイミングでセンスのよいクシを取り出せる、素敵なメンズを目指してみてください。