大切なデートや上司が同席する会議など、男性が急なしゃっくりに恥ずかしい思いをしてしまうシチュエーションはいくつかあります。
しかも止まったかと思えば、すぐぶり返すしつこさがしゃっくりの特徴です。
今回は日常生活の中で何かと厄介な、しゃっくりの止め方についてご紹介します。
しゃっくりとはどんな原因で起こるのか、また知って得するしゃっくりの止め方などについて詳しく解説します。
しゃっくりとは
医学的には吃逆(きつぎゃく)と呼ばれているのがしゃっくりです。
そのまま自然と治まるものがほとんどとされますが、中にはしゃっくりが原因で日常生活に支障が出る場合もあるので軽視はできません。
しゃっくりのメカニズム
まずはしゃっくりが発生するメカニズムを知っておきましょう。
横隔膜の収縮
人間の胸とお腹の間にある横隔膜(おうかくまく)は、柔軟に伸び縮みする力で肺の機能をサポートしスムーズな呼吸を促しています。
しゃっくりに関する一般的な解釈では、何らかのタイミングで横隔膜が急激に収縮しけいれんしている状態を指します。
声門がつくり出す音
また横隔膜がけいれんを起こすと通常より多くの息を一気に吸い込んでしまうため、声帯の隙間である声門(せいもん)も激しく収縮します。
しゃっくりで出る「ヒクッ」という特有の音は、横隔膜の収縮に伴い声帯が収縮し、隙間である声門を通るときに発生する音だと認識しておきましょう。
持続時間で分けられるしゃっくりの種類
横隔膜の急激な収縮・けいれん状態と声門から漏れ出る音の組み合わせがしゃっくり。
さらに深く掘り下げると種類や原因もひとつではないことがわかります。ここからは意外にも複雑なしゃっくりの種類や原因をご紹介していきます。
パターン1:吃逆発作
しゃっくりが始まってから約48時間以内で終息するものは吃逆発作に位置付けられます。
誰もが経験するであろうしゃっくりの大半は吃逆発作で、生体反応のひとつといってもいいほどです。
パターン2:持続性吃逆
終息するまでに48時間以上〜1ヶ月未満かかる場合は持続性吃逆に該当します。
持続性になると病気など別の要因が疑われてもおかしくないレベルといえるでしょう。
パターン3:難治性吃逆
しゃっくりの出現から1ヶ月以上たっても治まらない場合は難治性吃逆に相当します。
根本的な原因は医学的に立証されていないものの、持続性と同じく病気との関連性が疑われます。
1ヶ月もしゃっくりが止まらなければ、通常は仕事や学校生活にも支障が出ることは必至。
しかるべき診断を受けることも含め前向きに対処していきたい状態です。
男性は要注意!しゃっくりを起こす原因
男性のおかれる立場の多くは「しゃっくり=カワイイ」でスルーできない状況がほとんどです。
そのためしゃっくりがなぜ起こるのか知ることには一定の意味があります。
ここではしゃっくりが起こる原因として考えられているものをご紹介します。
食べすぎ・早食い
消化を司る胃は急激な変化に敏感です。
とくに大量の食べ物が流れ込んできたときほどしゃっくりを誘発する可能性が高く、消化の負担ともなるため注意が必要です。
刺激物・熱い物・冷たい物の摂りすぎ
極端な辛さの香辛料や熱さ・冷たさを特徴とした食べ物はしゃっくりを誘発する原因となります。
身体が味覚に反応すると同時に横隔膜にも急激な収縮がみられ、しゃっくりを起こすと考えられています。
炭酸飲料のガブ飲み
炭酸水の刺激もしゃっくりを起こす原因のひとつでゴクゴクと息つく間もない飲み方には注意が必要です。
空気と炭酸で胃が急激に膨れ上がり、苦しささえ感じるようなしゃっくりに悩まされることでしょう。
喫煙
喫煙傾向が多くみられる男性は女性より圧倒的にしゃっくりを経験する率が高いとされます。
タバコの煙が直接的な原因というより温度差のある周りの空気も一緒に吸い込むことがリスクを高めるのです。
愛煙家ほど非喫煙者より横隔膜が刺激されやすい状況にあることを認識し、心理的な不快感を防ぐ努力も必要でしょう。
過度のアルコール摂取
神経が張り巡らされているといっていいのが人間の身体です。
アルコールには横隔膜に通じる神経をダイレクトに刺激する作用があるため、飲酒によるしゃっくりの出現はあって然るべきだといえます。
コメディーの世界で酔っぱらいを表すシチュエーションにしゃっくりが用いられるのは、理にかなった演出ということもできるでしょう。
脳障害の後遺症
脳梗塞や脳出血・脳卒中といった脳の血管障害を患った経験のある人は、しゃっくりが頻繁に出たり繰り返し悩まされることもあります。
病気の経過観察とともに、心配な場合は主治医に相談するなど適切な対応が求められます。
肥満
代謝異常が原因の痛風などに罹患している人は同時に肥満傾向であるものです。
あくまで統計的な割合ではありますが、肥満としゃっくりの関連もゼロではないため注意するに越したことはありません。
ストレス
ストレスがしゃっくりの原因になり得るとする考えは東洋医学に基づくものです。
身体エネルギーの不足が胃の調子を狂わせ、胃酸の逆流からしゃっくりを誘発してしまいます。
特に忙しいビジネスマンの中にはピンとくる人も多いのではないでしょうか。
ストレス過多・食事が不規則・短時間で飲み込むように食事をするという悪習慣の繰り返しがしゃっくりの原因ならば、直ちに見直しが必要です。
見逃すと怖い!しゃっくりと重い病気の関係
通常のしゃっくりが30分前後で消滅することを考えれば、数日から1ヶ月以上も症状が改善されない状況には疑問を感じるべきでしょう。
またしゃっくりは横隔膜のけいれんが神経を通じて伝達されるメカニズムによってもその種類が細分化されます。
長引くしゃっくりに悩んでいる男性は、以下にご紹介する病気との関連性を知って専門機関の受診にお役立てください。
中枢性のしゃっくり
中枢性のしゃっくりでは、脳の伝達経路の中でも特に呼吸との関連が深い延髄(えんずい)に障害があって引き起こされる脳腫瘍や脳梗塞が心配です。
このほか習慣的に睡眠薬を服用している場合やアルコール依存症の疑いがある場合も同じく注意してください。
末梢性のしゃっくり
末梢性のしゃっくりで心配されるのは、頚椎周辺の腫瘍や肺がん・食道がん・気管支喘息・肝臓および胃や腸など消化器系の疾患です。
これ以外にも過去の手術で横隔膜に通じる部位の神経が敏感になっている場合なども、長引くしゃっくりに悩まされることがあります。
たった30秒?効果的なしゃっくりの止め方
悩ましいしゃっくりをすばやく止めるのに有効な方法をご紹介します。
いずれも簡単で急なしゃっくりを止めるのに役立つ内容となっていますのでぜひお試しください。
しゃっくりの止め方1:呼吸法
古くから伝えられている民間療法にも呼吸の工夫でしゃっくりを止めるとする方法はいくつかあります。
より根拠のあるしゃっくりの止め方として次のようなステップを試してみましょう。
ゆっくりした気持ちで5回ほど繰り返し、様子をみるのがおすすめです。
- 思い切り息を吐きだす
- 胸を張りだすように広げながらギリギリまで息を吸い込む
- そのまま息を止めて静止する
しゃっくりの止め方2:耳の穴を刺激
横隔膜に繋がる迷走神経を刺激してしゃっくりを止めるのが、耳の穴に指を入れる方法です。
時間にして1回30秒程度で完了するうえ、特別な道具も必要としないことがポイントです。
差し入れる深さはできるだけ奥までがよいとされますが、デリケートな耳の中を傷つけないよう注意しましょう。
しゃっくりの止め方3:効果的なツボの刺激
身体全体には無数のツボが存在しており、当然ながらしゃっくりに効くツボというものもあります。
こちらはわかりやすい動画でご紹介しますので、正しいツボの位置を確認しながら活用するのがおすすめです。
しゃっくりの止め方4:必要以上に気にしない
止めようと必死になるほど、より長い時間悩まされているように感じるのがしゃっくりです。
呼吸やツボ押しなどひととおりの手段を講じたら、意識をほかに向けるなども試してみましょう。
しゃっくりは病院でも治療できる
民間療法と思われがちな舌を引っ張る方法は、舌咽神経(ぜついんしんけい)を刺激する目的でおこなわれる治療の一環でもあるのです。
しゃっくりの悩みを医療機関で相談した場合に用いられるこの方法は、少しの痛みを伴うものの即効性が高いとされています。
ビックリさせるは無意味?しゃっくりの民間療法
しゃっくりを止める定説としてよくいわれているのが「ビックリさせる」という方法です。
しかし実際には横隔膜のけいれんを止めるほど人を驚かせるのはなかなか難しく、確実に効果を示すしゃっくりの止め方とはいい難いものがあります。
そのほか古くから伝承として伝えられているしゃっくりの止め方には次のようなものがあります。
- 息を止める
- 冷たい水を少しずつ飲む
- ごはんを噛まずに飲み込む
- 漢方を試す
海外におけるしゃっくりの止め方
英語ではしゃっくりのことを 「hiccup」、医学用語での「Singltus」は喘ぎ(あえぎ)やむせび泣くなどの意味を持つラテン語に由来するものです。
最後にしゃっくりの概念があるほかの国にはどんな止め方があるのか探ってみました。
病気ではないものの他人よりしゃっくりが出やすく対処法に困るという男性は、以下にご紹介する海外の民間療法も試してみてください。
ただし天然成分によるアレルギーの心配がある方などは十分気を付けましょう。
- ハチミツやチョコレートを食べる
- ディルというハーブの種を食べる
- 紙袋で口元を覆い深呼吸する
まとめ
ふいに現れるしゃっくりも原因や仕組みを理解していると対処しやすいものです。
男性の場合は過度の飲酒やたばこによるリスクを避ける心がけで、鬱陶しいしゃっくりから遠ざかることが可能となります。
肝心な場面でしゃっくりに邪魔されることのないよう、セルフメンテナンスを見直してみてはいかがでしょうか。